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本の感想^^

終末のフール (集英社文庫)

伊坂 幸太郎 / 集英社


内容(「BOOK」データベースより)
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。


この本も文庫化を待ってた一冊。
の割りに、読み始めるのが今になってしまいましたが(^^;

久々の伊坂さん。
この作品、伊坂さんの作品の中ではかなり好きです。

地球が滅びると言われたら私は何を思うかな・・・って考えながら読んでて。
で、きっとこう思うだろうと思う事が2章の『太陽のシール』で語られてた。
先天性の病気を患っている子供を持つ土屋。

今まで一番不安だった事は 『(子供をおいて)自分達が死ぬ事だよ。』
滅亡を3年後に控えて 『最近、すげぇ幸せなんだよ。』
なぜか? 『あと3年で終わるんだ。怖いけどみんな一緒だろ。そう思ったら、すげえ楽になったんだ。』

ここのくだりは読んでてどれだけうなづいた事か。
自分がいなくなった後の子供の人生。
もう考えたら不安で押しつぶされそうになる現実。
そうだよな、きっと私も滅亡する怖さよりも、きっといろんな事から開放されて楽になるんだろうなって。
こんな事いったらバチがあたるかもしれないけど、でもこれが正直な気持ち。

他の章のそれぞれの主人公の生き方、考え方も、ありだなって思う。
人間て弱いから。

かなりインパクトの強い設定なのに、描かれてるそれぞれの人生は淡々と語られてて。
そのギャップが逆に怖い・・・というかリアルというか。
まさに、伊坂ワールドです。
by arigato_307bigsky | 2009-09-30 15:20 |

by arigato_307bigsky